疎開学童らを乗せた「対馬丸」撃沈から74年 那覇で慰霊祭 400人鎮魂祈る


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対馬丸に乗船し犠牲となった子どもたちが眠る小桜の塔を見つめ、手を合わせる参列者ら=22日、那覇市若狭

 疎開学童や一般疎開者を乗せた「対馬丸」が米潜水艦の魚雷で撃沈されて74年となる22日、対馬丸慰霊祭が那覇市若狭の小桜の塔で執り行われた。生存者や遺族ら約400人が参列し、犠牲者を追悼。「戦争を繰り返さない」と誓った。

 家族9人を失った対馬丸記念会の高良政勝理事長は、戦争を知らない世代が全人口の8割を超えていることに触れ、戦争の実像を継承し続けることの重要性を強調。その上で「世界から報復の連鎖が断ち切られることを切に願う」と訴えた。

 対馬丸事件で犠牲になった子どもの在籍していた小学校の児童などでつくる「つしま丸児童合唱団」が、犠牲になった児童の多くが通っていたい天妃尋常小学校の校歌や「小桜の塔のうた」などを歌うと、涙を流しながら一緒に歌う参列者の姿もあった。【琉球新報電子版】