【沖縄県知事選・政策点検】基地問題


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 9月30日投開票の沖縄県知事選は、13日に告示を迎えた。米軍普天間飛行場の返還・移設問題など、基地問題全般への対応、雇用・経済、教育・子育て、福祉などを中心に政策論争が活発化する。立候補した有力2氏の公約や姿勢を確認し、争点を洗う。(’18知事選取材班)

【地位協定改定】
佐喜真氏 合同委に「自治体関与」
玉城氏 米軍も「国内法順守に」

 基地問題に関する最大の争点は普天間飛行場の返還・移設問題だ。

 佐喜真淳氏は「『世界一危険』とも言われる普天間飛行場の返還がまず優先されるべきだ」との姿勢だ。一方、同飛行場の返還について日米両政府は名護市辺野古への移設が「唯一の解決策」だとし、工事を進めているが、辺野古移設の是非について佐喜真氏は態度を明らかにしていない。

 玉城デニー氏は普天間の早期返還では佐喜真氏と一致しているが、故翁長雄志知事の姿勢を引き継ぎ「辺野古新基地建設阻止」を貫徹するとし、日米両政府に現行移設計画の見直しを求めるとしている。また現県政による辺野古埋め立て承認撤回を「支持する」としている。

 県議会が超党派で求めてきた日米地位協定の改定は、両候補とも「抜本改定」が必要との認識で一致し、大幅な見直しを求めている。ただ改定の内容で力点を置く部分は異なる。

 佐喜真氏は協定の実際の運用を日米が協議する日米合同委員会に関し「地方自治体の関与を認めさせ、事件・事故の防止について県が発言することを認めさせる」としている。

 玉城氏は航空法などの国内規制が適用除外されていることから「米軍にも日本の国内法を順守させるよう強く求める」とし「領土・領空・領海に対する主権の行使を求める」とする。

 那覇軍港の浦添市への移設でも両者の立場は異なる。

 佐喜真氏は「現在中断している県と那覇市、浦添市の連絡調整を密にし、地域住民が納得し、沖縄の振興発展につながるような協議を再開する」とし、早期の跡地利用に向けて移設作業を加速する考えだ。

 一方、玉城氏は軍港移設への評価は示さず、政策集にも盛り込んでいないが、討論会などで「那覇軍港の移設は移設協議会の枠内で議論を進めており、それが一番確かな手順だろうと認識している」としている。