「世界中が沖縄支援」 池宮城秀意賞、識者がエール


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「沖縄と世界 差別と闘い、軍事主義に抗う」のテーマで討議された内容に拍手を送る聴衆=15日午後8時ごろ、那覇市泉崎の琉球新報ホール

 15日に那覇市泉崎の琉球新報ホールで開かれた池宮城(いけみやぐしく)秀意記念賞シンポジウム。「沖縄と世界―差別と闘い、軍事主義に抗(あらが)う」をテーマに「海外識者103人声明」に参画したピーター・カズニック氏(アメリカン大学歴史学部教授)、ジョイ・コガワ氏(詩人、小説家)の2人と、選考委員の勝方=稲福恵子氏(早稲田大学名誉教授)が登壇した。沖縄に米軍基地を押し付ける日米両国の非民主的な姿勢などについて意見を交わし、「沖縄は孤立していない。世界中が支援している」とエールを送った。

 カズニック氏は、最初の声明を発表した2014年の時と比べ「世界情勢は明らかに悪く、危険になっている」と強調した。その中で沖縄が「軍事化の流れに抗い平和に向かう最前線にある一方、戦争に向かう最前線にもある」と説き、「もちろん平和へ向かうことを強く願っている。強く支援したい」と話すと、会場から拍手が湧き起こった。

 日系カナダ人のコガワ氏は、太平洋戦争時にカナダに住む日系人が受けた差別について触れ、「(過酷な経験の歴史が)沖縄と深いつながりを感じる」と語った。「歴史は正義に傾く。自信を失わず愛を持っていたら恐れに打ち勝てると信じている」と力を込めた。

 勝方氏は今回「つながりや今後も発展的な広がりを感じた」とし、「『声明』が世界の隅々まで広がってほしい」と期待した。