宜野湾市長選 両陣営 選対本部長インタビュー 当確ライン「2万7000超」


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(左から)新垣清涼・仲西陣営選対本部長 又吉清義・松川陣営選対本部長

 30日に投開票される宜野湾市長選で、立候補している県高校PTA連合会前会長の仲西春雅氏(57)と前宜野湾市副市長の松川正則氏(65)は、23日に告示されて以降、激しい選挙戦を展開してきた。両陣営の選対本部長に選挙戦の手応えや有権者に訴えたいことを聞いた。(宜野湾市長選取材班)

◆仲西陣営 子育て政策、重点に 新垣清涼氏

―選挙活動の手応えは。

 「出遅れた部分もあり、選挙態勢の構築が最初はできていなかった。だが、終盤になり仲西春雅候補本人の手振りや地域回りのおかげで『頑張って市政を変えてほしい』といった声も聞こえ、反応が良くなってきた。仲西候補の情熱的な思いを街頭で聞いた有権者には訴えが浸透し、支持が得られていると確信している」

―当選ラインの予想は。

 「今回、県知事選と同日投開票なので、投票率70%近くを見込んでいる。宜野湾市には7万以上の市民がいる。最低でも2万7千~8千票をしっかりと取り込んでいければ、勝機はわが方に訪れると考えている」

―最終盤の取り組みは。

 「本人の思いをしっかりと伝えられる機会を重視している。地域の方に仲西候補の思いや声が届けられるよう、100メートルおきにポイント演説を実施してきた。彼が出馬を決意したのは『安心して子育てできる教育環境』を実現したいという思いだ。市内はまだまだ人口が増えている。若い世代が子育てしやすい、住んで良かった、もっと住みたいと思える宜野湾市を実現するため、子育て政策を重点的に訴えていく」

―有権者に訴えたいことは。

 「県民、市民が望む安全な空を目指し取り組む。米軍機が飛ばない、爆音のない空を実現し、安心して暮らせるまちを実現する。『あなたの声が私の原点』と掲げているのも、政府の顔色をうかがうのではなく民主的に市政運営に関わっていきたいという、仲西候補の思いがあるからだ」

 「前市政では、市民が築いた基金を大幅に切り崩した状況がある。経営者でもある仲西候補の経営感覚で、市政運営の立て直しが期待できる。仲西候補なら、そうした取り組みも着実に進めていける」

◆松川陣営 市政熟知、継承に力 又吉清義氏

―選挙活動の手応えは。

 「選挙戦の途中、中だるみしていたので、非常に危機感を持っている。市議選で与党市議団16人全員が当選し、支持者に安堵(あんど)感が生まれたのかもしれない。しかし、20日の総決起大会以降、松川本人や市議団、支持者一人一人が奮い立ち、手振りや地盤固めに奔走している」

―当選ラインの予想は。

 「投票率は2016年1月の前回選挙と同じ68%を見込んでいる。当選には前回佐喜真前市長が獲得した2万7千票が最低でも必要だ。超短期決戦で陣営の雰囲気づくりがかなり難しいが、前回を超える勢いでないと勝てない」

―最終盤の取り組みは。

 「台風の接近もあったため、電話作戦も含め、期日前投票の呼び掛けを徹底してきた。ただ松川候補を知らない人もまだ多い。三日攻防に入ってからは、午後5時半から市内一円の交差点に一斉に支持者が立つ手振り運動を実施した。一致団結して、無党派層に支持を訴えたい」

―有権者に訴えたいことは。

 「普天間飛行場は街の真ん中にあり、基地を動かしたい気持ちはみんな一緒だ。その原点を多くの人に理解してもらいたい。さらに私たちは基地跡地の未来もつくっていく。佐喜真前市長は西普天間住宅地区跡地で琉球大学医学部の誘致に成功した。佐喜真候補が県知事になり、松川候補が市長になれば、連携によりさらに事業が進んでいく」

 「松川候補ほど真面目で誠実な人はいない。長い行政経験で市の事業を熟知し、国とのパイプも持っている。佐喜真市政で芽出しした事業を間違いなく継承、発展させていける。これは松川候補にしかできないことだ。首長が変わると、またゼロからのスタートになってしまう」