「遺志を継ぐ」 県民葬前に翁長さん悼み黙とう 辺野古キャンプシュワブ前


この記事を書いた人 Avatar photo 玉城江梨子
県民葬を前に、翁長雄志さんの死を悼んで黙とうする市民=9日午前11時すぎ、名護市辺野古

 【辺野古問題取材班】翁長雄志前知事の県民葬が開かれる9日、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前には午前中から約50人の市民が集まり、翁長さんに黙とうをささげると同時に、翁長さんの遺志である辺野古新基地建設阻止に向け、抗議行動を続けていくことを誓った。

 午前8時に始まった抗議集会では、ゲート前の歩道に設置されたフェンスと車道の細い空間に並んだ市民が黙とうをささげるなどして改めて翁長さんの死を悼んだ。午前11時すぎには那覇市から駆け付けた市民も一緒になり、ゲート前のテントで再び黙とうをささげた。平和センター九州ブロックのメンバーら25人も参加した。市民らは「新基地建設をやめろ」「沖縄を返せ」などと声を上げた。

 抗議集会であいさつした沖縄平和運動センターの山城博治議長は「県民同士が対立させられ、日本政府が後ろで高笑いしている。『ウチナーンチュとして団結しよう』と訴えた翁長さんの遺志を引き継ごう」と呼び掛けた。

 平和センター九州ブロックの前海満広さん(63)は「『イデオロギーよりアイデンティティーを』と団結して呼び掛けた翁長さんの言葉に共鳴した。沖縄の人と連携してこれからも新基地建設に反対していきたい」と話した。

 テントは台風24、25号の影響で一部破損したため、市民らが補修していた。ゲートから資材の搬入や海上での作業などは確認されなかった。【琉球新報電子版】