市政継続か刷新か きょう那覇市長選告示


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 14日に告示される那覇市長選(21日投開票)は、無所属現職の城間幹子氏(67)と無所属新人で前県議の翁長政俊氏(69)=自民、公明、維新、希望推薦=の一騎打ちとなる公算が大きい。告示前の前哨戦では子育て施策や中心市街地の街づくりなどを争点に激しい論戦が展開されてきた。1期4年の城間市政の評価が問われ、それぞれ「市政の継続」、「市政の刷新」を訴える両氏による活発な運動が展開される見通しだ。(’18那覇市長選取材班)

【争点】子育て、経済で独自策

 那覇市長選に立候補を表明している現職の城間幹子氏、新人で前県議の翁長政俊氏の両氏は13日までに政策発表を終えた。子育て支援策や経済振興について独自の政策を打ち出し、有権者への支持拡大を図る。

 琉球新報社が開いた立候補予定者の座談会で、城間氏は争点を「施策のきめの細やかさ」だとし、4年間の市政運営の実績を生かして、政策をさらに深化、推進する考え。翁長氏は「那覇軍港移設と子育て支援策」を訴え、現市政の市政運営の問題点を指摘し、政治経験を生かして市政刷新を目指す。

 那覇軍港の移設は、両氏とも早期移設を推進する考え。米軍普天間飛行場の辺野古移設計画について、城間氏は移設に反対する考えを明確にした。翁長氏は普天間を固定化させないよう国に働き掛ける考え。

 玉城デニー知事について、城間氏は支持する立場。翁長氏は支持、不支持を示さず「普天間返還や子育て支援に取り組むよう求める」との考え。安倍政権に対し、城間氏は「評価しない」とし、翁長氏は「沖縄県民に寄り添う姿勢を強く求めたい」とした。憲法改正について、両氏とも賛否を明確にしていない。

【対立構図の特徴】
 城間幹子氏 「オール沖縄」継続
 翁長政俊氏 知事選枠組み維持

 県知事選の3週間後が投開票となる今回の那覇市長選。城間幹子氏(67)、翁長政俊氏(69)とも、知事選の体制を基本に支援枠組みを構成し、選挙戦を展開する。

 城間氏の支援枠組みは、知事選で玉城デニー氏を支援した共産、社民、社大、国民民主、立憲民主、自由などの政党と保守中道系の政治団体にぬふぁぶし、与党市議団を中心に構成する。知事選では自主投票だったかりゆしグループなどもそこに加わる。知事選と同日実施となった4年前に翁長雄志氏と城間氏を支援した「オール沖縄」とほぼ同様の枠組みとなる。

 翁長氏は、自民、公明、維新、希望の推薦を受ける。2月の名護市長選などを勝利し、知事選で佐喜真淳氏を支援した枠組みだ。4年前の那覇市長選で自主投票だった維新を新たに支持に取り込んだ。4年前は自民の「新風会」が城間氏を支持するなど、自民市議でも支持が分かれたが、昨年の市議選で自民市議の構成が変わり市議も自公維で翁長氏支援にまとまった。

 両陣営とも支援母体を中心に票を固め、無党派層への支持拡大を狙う。