オール沖縄 県内主要選に弾み 豊見城市長に山川氏


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当確の一報を受け、玉城デニー知事(手前左から2人目)とポーズをとって喜ぶ山川仁氏(同3人目)=14日午後10時3分、豊見城市渡橋名の選挙事務所

 玉城デニー氏が9月30日の知事選で当選して最初の県内選挙となった豊見城市長選は、玉城知事が支援する山川仁氏が、現職と自民党が推した新人の計2人を下し、勝利した。県政与党にとって知事選に続く勝利で、21日投開票の那覇市長選に弾みをつけた格好だ。

 山川陣営は玉城知事とのセット戦術を展開することで知名度不足を克服した。翁長雄志前知事が構築した「オール沖縄」勢は、全県選挙では強みを発揮してきたが、今年2月の名護市長選や3月の石垣市長選、4月の沖縄市長選と3連敗を喫するなど、基地問題以外に身近な争点の多い地域選挙では苦境に立たされていた。

 市長選での勝利は1月の南城市長選以来で、県内11市のうち、玉城氏を支える市長は那覇と南城と合わせて3人となった。今回の勝利は、保守分裂が有利に働いた面もあるが、玉城知事にとって初戦を勝利で飾ったことで、求心力を強めるとともに、安定した県政運営に向け追い風となったといえる。玉城知事を支える県政与党にとっても来年4月に実施される見通しの衆院沖縄3区の補欠選挙や夏の参院選に向けた与党共闘にも弾みをつけた。

 一方、2連敗を喫した自民党県連は態勢の立て直しが急務だ。知事選で示された辺野古新基地建設反対の民意に今後どう向き合っていくかも問われそうだ。 (吉田健一)