「移民の父」金武魂を継承 當山久三生誕150年祭


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當山久三生誕150年を祝い、金武町旗を先頭に町内をパレードする町民ら=14日夕、金武町

 沖縄移民の父と呼ばれる當山久三(1868~1910年)の生誕150年記念祭(同実行委員会主催)が14日、出身地の金武町で開かれ、町内外から多くの人が訪れた。町民による大規模パレードや當山を描いた演劇を通して、困難に打ち勝ち移民事業を成功させた“金武魂”を再確認し、次世代に継承することを改めて誓った。

 當山は1868年に金武間切並里(現金武町並里)に生まれた。99年に県初の移民30人をハワイへ送り出した。その後も多くの県民が海外へと渡った。移民した県出身者は、沖縄が戦争で壊滅的な被害に遭うと、古里を助けようと多くの寄付を贈り、復興への足掛かりをつくった。

 当時、移民を見送る場所だったドンダン小(グヮー)(現金武町金武)で開かれた顕彰式では、町内5区が空手や獅子舞などを披露し、祭りを盛り上げた。

 宜野座村から友人と訪れた金城佑貴さん(28)は「移民の始まりが金武町だとは知らなかった。チャレンジ精神を大切にしていこうと思う」と笑顔で話した。