ヘリパッド撤去「公約に」 渡具知名護市長、議会で明言


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渡具知武豊名護市長(資料写真)

 【名護】沖縄県名護市の渡具知武豊市長は15日、米軍キャンプ・シュワブ内にあるヘリパッド全7カ所の撤去の実現を求めていく考えを明らかにした。市議会本会議で「強く訴えていく」「(撤去を)公約と捉えて結構だ」と明言した。渡具知市長は2月の市長選ではシュワブのヘリパッド撤去を公約に掲げていなかった。市議会3月定例会では国立高専近くのヘリパッド撤去を求める考えを示していたが、シュワブ内全7カ所の撤去を「公約」と明言したのは初めて。

 東恩納琢磨氏への答弁。一般質問で東恩納氏が「ヘリパッドの全面撤去を掲げていると認識していいか」と問うと「これまで何度か発言している。私の公約と捉えて結構だ」と答弁した。

 特に、高専のグラウンドから約300メートルと近い位置にあるヘリパッドについて、渡具知市長は7月に小野寺五典防衛相(当時)を訪ね、早急に撤去するよう口頭で伝えたという。

<解説>久辺3区と歩調合わせ

 米軍キャンプ・シュワブ内のヘリパッドを巡っては、2016年12月に名護市安部で米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが墜落した際に、辺野古、豊原、久志の久辺3区長らが当時の若宮健嗣防衛副大臣に撤去を求めた経緯がある。事故から2年近くたつが、ヘリパッド撤去の動きはない。米軍機が集落上空を通り、地元住民が騒音に悩まされている状態も続いている。

 特に渡具知武豊市長が早期撤去を求めた国立高専裏のヘリパッド「LZフェニックス」は、高専のグラウンドから約300メートルの距離に位置し、オスプレイをはじめとする米軍機が離発着訓練を繰り返している。

 地元住民の意を酌んだ渡具知市長は防衛省に撤去を求め、今後も「強く訴えていく」と、本腰を入れる姿勢だ。ただ、ヘリパッド撤去までのプロセスを問われると、防衛省に口頭で求めたことを説明しただけで、具体的道筋は見えていない。撤去をどう実現させるか、手腕が問われてくる。
 (阪口彩子)