県きょう意見書送付 辺野古承認撤回執行停止 「国に正当性なし」


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米軍キャンプ・シュワブ沿岸域の埋め立て区域の一部=10月18日午後、名護市辺野古のキャンプ・シュワブ沿岸(小型無人機で撮影)

 米軍普天間飛行場の沖縄県名護市辺野古移設を巡り、県の埋め立て承認撤回に政府が対抗措置を講じた件で、県は撤回の効力を止める執行停止は認められないとする意見書を24日、国交相へ送付する。沖縄防衛局は国土交通相に対し行政不服審査法に基づき撤回の審査と効力停止を求めている。これに対し県は国民の権利救済が同法の目的で国が利用できないことや撤回の正当性、執行停止を認める緊急性がないことなどを訴える。

 県幹部は「まずは執行停止を認めさせないことが重要」と強調する。一方で国交相が執行停止を認めた場合は、国と地方公共団体の争いを扱う国地方係争処理委員会に不服を申し立てることを軸に対抗策を検討している。防衛局が求めた撤回取り消しに対する弁明書は県が11月20日までに国交相に提出する。

 防衛局は工事が止まっている間も1日当たり約2千万円支出していることや、普天間飛行場の危険性除去が遅れることなどを主張し、効力を止める緊急の必要性があると国交相に申し立てている。県は撤回から1カ月半以上たっていることなどを挙げて反論するとみられる。行政不服審査法に基づく審査請求は2015年に県が埋め立て承認を取り消した際にも政府が取った対抗策で、国が「私人」と同様の立場を主張したことに対し、行政法学者や裁判所から批判を浴びた。