りゅうせきが介護施設 来春開業 地域密着で複合型


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 りゅうせき(浦添市)が地域密着型の複合老人施設「百穂苑」の開業に向けて準備を進めている。利用者が地域にいながら複数の支援を受けられるように、デイサービスやグループホーム、特別養護老人ホームなど五つの事業所を併設した複合型の施設を建設する。2019年4月の開業を予定している。17年2月には百穂苑を運営する社会福祉法人「彩生会」を設立した。

那覇市安里で開業する百穂苑の完成予定図(りゅうせき提供)

 百穂苑は那覇市安里にあるりゅうせき所有の土地に建設する。創業者の稲嶺一郎氏の邸宅があった場所で、跡地の利用方法について検討を進めていた。同社は「近年は少子高齢化が進んでいて、社会貢献の取り組みをするためにも、地域に密着した介護事業を展開しようと決めた」と説明する。グループ会社のりゅうせきエネプロ(那覇市)でもリハビリ特化型のデイサービスを実施しているが、入居型施設は初めてという。

 百穂苑は4階建てで、認知症共同生活グループホームや地域密着型特別養護老人ホーム、リハビリ特化型デイサービスなどが入っている。複数の事業が集積することで利用者の利便性が高まるほか、それぞれの事業で補完し合うことも可能になるという。りゅうせきエネプロがこれまで培った技術も百穂苑で活用する。

 職員は80人を採用する予定。介護現場では離職者が多いことが課題となっていることから、福利厚生を充実させたり、資格取得を支援したりして、職員の定着を図っていく。

 りゅうせきで百穂苑準備室の室長を務める当銘功氏は「地域に根差して、地域の皆さんと一緒に歩んでいけるような施設を目指す。りゅうせきの社員もボランティアなどで百穂苑に携わり、地域貢献活動も行う」と話した。