「ヘルプマーク」知ってますか?障がい・症状見えずとも援助を 沖縄県が導入


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
10月から県内で配布が始まったヘルプマークを手にする県障害福祉課の前川貴子主査=12日、県庁

 外見からは分かりにくい障がいや症状がある人のための「ヘルプマーク」の配布が、10月下旬から沖縄県内で始まった。東京都が2012年度に考案し、ことし9月末時点で32都道府県が導入している。内部疾患がある当事者は導入を歓迎し「マークの意味を多くの県民に認知してもらい、住みやすい社会の実現につながってほしい」と期待を寄せる。

 ヘルプマークは樹脂製で、縦85ミリ、横53ミリ、厚さ2ミリ。赤地に白のハートと十字がデザインされている。障がいや求めたい支援内容を付属のシールに記入し、片面に貼ることができる。対象は内部障がい、難病、発達障がい、妊娠初期の人など。周囲に配慮を必要としていると知らせることで、援助を得やすくする狙い。

 県障害福祉課によると、18年度は5千個を用意し、県内の市町村に配布した。希望者は市町村の窓口へ行き、申請書を提出すると無料でもらうことができる。障害者手帳を所持していない人も使える。同課の前川貴子主査によると、東京都が作成した12年度以降、他の自治体にもマークが広がり、沖縄でも導入を求める要望や問い合わせがあった。「外見では分からない障がいの人たちが援助を受けやすくなるだけでなく、マークを持って訪れた観光客への配慮も進む。共生社会の実現に有効だ」と意義を強調する。

 県腎臓病協議会の國吉實会長は「内部疾患の人は、見た目は健常者と変わらない。バスなどで優先席に座るのにも気をつかう」と打ち明ける。マークを所持することで周囲の人に「どこか具合が悪いんだな」と分かってもらえると助かるとする一方、「どんなマークなのか、県民の認知度が上がってほしい。これからの広報活動も重要になる」と指摘した。問い合わせは県障害福祉課(電話)098(866)2190。
 (前森智香子)