[知事訪米]一喜一憂せず発信する 玉城知事一問一答


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訪米要請行動の日程を終え、記者団の質問に答える玉城デニー知事=14日夜、米ワシントン市内

 玉城デニー知事の訪米要請行動後の記者団とのやりとりは次の通り。

 ―国務、国防総省との面談内容は。

 「辺野古新基地建設反対を訴えて過去最多得票で当選した経緯に基づいて訪問した。承認取り消しの流れを説明し、政府が本来は国民の権利、利益救済を目的とした行政不服審査法の趣旨をたがえて撤回を取り消したことにも触れた。私は司法ではなく対話による解決を求めていると話した。これに対して、米側から安倍総理とペンス副大統領との間で、日米共同声明が発表され、辺野古移設が唯一の解決策であるということにも言及があった」

 ―3者協議を国務、国防総省に伝えたのか。

 「はっきり伝えた。しかし、確たる返事があったわけではない」

 ―今日の面談で1歩でも半歩でも前進したと実感できた部分があったか。

 「考えを伝えられたということは半歩なりの前進にはなると思う。対話の中から糸口を見つけていこうと。その根本的な問題は沖縄における民主主義の問題。お互いに普遍的な価値観を共有できるかどうか。日米双方が問題の当事者で、責任者だとも伝えた」

 ―ニューヨーク、ワシントン訪問の総括を。

 「日米がこれまで時間をかけて議論し、辺野古が唯一という考え方で結論が出て、それで進んでいるというコメントが米政府や関係者からあった。他方で米国民、沖縄県系の流れをくむ皆さんに米国も当事者だと受け止め、世論をつくってほしいと話をしたことに、非常に温かい感触を得た」

 「ニューヨークは快晴。ワシントンは雪が降る前の曇り空という感じ。雪が降ったら暖かくなるが、降る前の方が寒い」

 ―国務省は面談直後に「辺野古は変わらない」という声明を出した。

 「それは決めた方の一方的な既定路線。沖縄における民主主義が崩壊に向かう状況を説明した。当事者である日米両政府が今の状況では沖縄における日米安全保障体制そのものも揺らぎかねない。得策ではないと伝えた。その上で声明を出すことは、やはりまだ沖縄の認識をしっかりと受け取っていない。あるいは受け取ろうとしない。私たちは一喜一憂せず、常に沖縄の立場を説明し、発信する」