「新基地阻止 連帯を」 アイルランド国際会議2日目 沖縄から訴え


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「辺野古の工事が再開し厳しい状況が続いている。皆さんの力が必要だ」と連帯を呼び掛ける稲葉博さん=17日、アイルランド・ダブリンのリバティーホール

 【ダブリンで大矢英代通信員】アイルランドの首都ダブリンで開催されている「全世界から米軍基地とNATO基地の撤退を求める国際会議」2日目は現地時間の17日、沖縄平和運動センターの山城博治議長と共に辺野古での抗議行動の先頭に立つ稲葉博さんが登壇した。稲葉さんは「世界の人たちと手を取り合えば、必ずこの闘いに勝てると信じている。皆さんの力が必要だ」と新基地建設阻止への連帯を呼び掛けた。

 稲葉さんは、健康状態の懸念で欠席した山城議長のあいさつ文を代読し、抗議行動による威力業務妨害罪などで起訴され、現在も控訴中であることを報告した。「米軍基地や自衛隊基地の拡張、戦争策動に反対して運動することは大変な困難を伴うが、軍事基地のない、戦争のない、平和な世界のために共に頑張っていこう」と訴えた。
 質疑応答ではドイツ人男性から、「沖縄にこれだけ多くの米軍基地が集中しているのは、台湾や中国との地理的な近さが影響しているのか」との質問があった。退役軍人らによる国際平和団体「ベテランズ・フォー・ピース(VFP)」メンバーのタラック・カウフさんが「中国脅威論は為政者が米軍基地の存在を肯定するためにつくり出したものだ」と解説し、「武力で国際関係の改善などできないことを訴え続けなければいけない」と述べた。
 会議2日目は、アジア、ヨーロッパなど地域ごとに米軍基地による水質汚染や騒音被害などの報告があった。
 最終日の18日はワークショップ形式で、全世界からの米軍基地、NATO基地の撤去に向けて具体的な取り組みを話し合う。また、米軍撤退を求めるデモ行進もある。