後絶たぬ米軍機事故、外来機飛来で騒音増…嘉手納基地の危険


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 米軍嘉手納基地所属の米軍機は、B52墜落のほかにも、これまでに多くの事故を起こしてきた。住民を巻き込み、死傷させる大惨事を招いたことも。戦後73年がたった今も、危険性はなくなっていない。

 1959年6月30日、うるま市(旧石川市)の宮森小学校に米軍ジェット機が墜落、18人が死亡し、220人以上がけがをする事故が発生した。その2年後にはうるま市(旧具志川村)川崎で米軍ジェット機が墜落し、住民2人が亡くなった。今年6月にはF15戦闘機が本島南方海上に墜落する事故が発生した。基地周辺のみならず、危険性は県内全域に及んでいる。

◆住民巻き込む死傷事故も/「暫定配備が原因か 解決されない騒音

 米軍嘉手納基地周辺では、騒音問題が解決されないままだ。2017年度には嘉手納町屋良Aで約2万3千回、北谷町宮城では約2万2千回の騒音が記録されており、増加傾向を示している。外来機の飛来、暫定配備が原因とみられる。

 17年5月にはF16戦闘機12機が飛来し、3カ月暫定的に配備された。10月末には米ユタ州のヒル空軍基地の最新鋭ステルス戦闘機F35A12機が7カ月間暫定配備され、騒音回数の増加につながった。

 次いで騒音発生回数が多い15年には、F16戦闘機が約7カ月にわたり暫定配備されている。

 18年もF22ステルス戦闘機が嘉手納基地に暫定配備された。沖縄市と嘉手納町、北谷町でつくる「嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会」(三連協、会長・桑江朝千夫沖縄市長)が6月に実施した目視調査では、100デシベル以上の騒音を6回記録するなど、飛行場由来の騒音が絶えず続いている。