辺野古の県民投票と向き合う 学生らが県議と議論


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普天間飛行場移設に伴う辺野古の新基地建設や県民投票を巡って熱い議論が交わされたシンポジウム=25日、那覇市古島の教育福祉会館

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設の是非を問う県民投票を推進する市民グループ、「辺野古」県民投票の会は25日、那覇市古島の教育福祉会館でシンポジウム「県民投票のこれまでとこれから~県議会における議論と展望」を開いた。パネル討論では、10月の県議会米軍基地関係特別委員会で県民投票条例案を審議した県議4人と大学生らが登壇した。学生は県議に県民投票への取り組みなど率直な疑問をぶつけ、活発な議論を交わした。100人を超える来場者が熱心に話を聞いた。県民投票は来年2月末までに実施される見通しとなっている。

 パネル討論では、県議4人のほか、同会の元山仁士郎代表、琉球大の1~3年生の学生4人、宜野湾市緑ヶ丘保育園の「チーム緑ヶ丘1207」メンバー、野添文彬沖縄国際大准教授が登壇した。

 県民投票は「意味がない」「対立が深まる」などの声が学生間にあることについて親川敬氏(会派おきなわ)は「対立をあおるのではなく、民意をはっきり示すという位置付けだ」と説明した。

 渡久地修氏(共産)は「県民投票に向かう私たちの活動が大事だ。辺野古の基地がどれだけ危ないか、沖縄は基地に依存している時ではなく自立していく方向だと訴えられるかだ」と指摘。「辺野古はやむを得ない」と思う人や保守層にも投票を促す考えを示した。

 学生から「どの程度の票で反対、賛成の民意が示されたと胸を張れるか」との問いに當間盛夫氏(維新)は「国を本気で動かすのであれば、玉城デニー知事が当選時に得た39万票を上回ることだと思う」と答えた。

 宮城一郎氏(社社結)は投開票事務を保留している4市について「市民、県民の権利を奪うことが正当なのか」と述べ、市民にも「市町村長の資質を見定めてほしい」と呼び掛けた。

 同会は自民・公明の県議にも登壇を依頼したが欠席した。自民は県議会で議論を尽くしたとし、公明は4択でなく2択になったことを理由に挙げたという。