辺野古埋め立て工費2.5兆円 沖縄県試算、当初計画の10倍


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米軍キャンプ・シュワブ沿岸域の埋め立て区域=10月31日、名護市辺野古(小型無人機で撮影)

 米軍普天間飛行場の移設に伴う沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、玉城デニー知事は28日、埋め立て工事にかかる工費が2兆5500億円に膨らむとの試算を政府との集中協議で示していたことを明らかにした。

 現状の護岸建設までの費用が当初予定の10倍となっていることを踏まえ、防衛省が資金計画書で示していた埋め立て工事全体の2400億円も10倍になると当てはめた。その上で、岩国飛行場拡張工事で生じた費用を踏まえ、軟弱地盤の改良工事費や県外からの追加の土砂調達費を加算した。

 工期についても、埋め立て工事に5年、軟弱地盤の改良工事に5年、埋め立て後の施設整備に3年の計13年を要すると指摘した。「一日も早い普天間の危険除去につながらない上に、2兆円以上も費用がかかる計画を続けるのか」(県幹部)と、辺野古移設以外の方策の検証を国に求めている。

 工事費用の県の試算は県の主張を補強するためのおおよその想定で、公式の調査ではない。