辺野古土砂 県、有効策を模索 立ち入りで打開狙う


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 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う新基地建設で、14日の土砂投入を目指す沖縄防衛局と琉球セメントは、県が立ち入り検査まで作業を止めるよう申し入れた行政指導に反して埋め立て用土砂の搬出作業を進めている。県は法令や規則を駆使した対抗策を模索しているが、土砂投入を止める有効な手だては見いだせていない。政府は前のめりな姿勢を崩さないが、運搬船に積んでいる土砂の量は辺野古側の埋め立てに必要な量の0・2%未満にとどまる。県は条例や規則に基づき土砂の搬出作業に問題がないか確認を進めている。

 県は7日、公共用財産管理規則に基づいた立ち入り検査を実施するため、検査の希望日を琉球セメントに提示した。早ければ来週にも検査を実施し、県に提出された申請内容と桟橋の設置状況に相違がないか確認する。併せて防衛局に対して埋め立て承認時に付した留意事項に違反していることなどを理由に行政指導を行うことも検討を進める。

 県は同社に対し、桟橋近くの土砂の堆積場に関して赤土等流出防止条例に基づく届け出の提出を口頭で指導していたが、7日までに提出がなく、同日、文書を送付して改めて指導した。今後も提出されなければ、さらに強い中止命令も含めて検討している。

 大気汚染防止法に基づく届け出では、土砂を「石材」と表記していたため県は追加資料の提出を求めている。8日以降、届け出通りに粉じんが飛んでいないか確認するため、立ち入り調査をする予定だ。

 防衛局は週明けにも陸揚げ用に構造変更した護岸「K9」から埋め立て用土砂を陸揚げするとみられる。車両や重機が乗り降りできるランプウェー台船を使って運搬船から土砂をダンプに移し替える計画だ。土砂は辺野古崎近くにある資材置き場に運び込まれるとみられる。