政府と琉球セメント 県の制止応じず 玉城知事「あまりに乱暴」


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 沖縄県名護市の安和桟橋で土砂運搬作業が始まって県が度重なる行政指導をし作業停止を求めたのに対し、沖縄防衛局と琉球セメントはこれに応じず運搬を続行している。県は「あまりにも手続きを一方的に解釈した乱暴なやり方」(玉城デニー知事)と批判するが、岩屋毅防衛相は7日の会見で、作業を停止する考えは「ありません」と強調した。

 県が問題視するのは、桟橋の工事完了届を巡り立ち入り検査を終えていないことや、桟橋敷地内に積んだ土砂に関する事業行為届が出ておらず、県赤土等流出防止条例に違反するという点だ。工事完了届について、岩屋氏は琉球セメントが4日に提出を済ませたとして「行政指導の根拠となる指摘は解消された」と説明した。

 県は立ち入り検査が終わるまでの作業停止を求めているが、防衛局と業者はこれに応じていない。

 また条例違反に対し、防衛局と業者は5日の作業再開時に敷地内の土砂は使わず、採石場から運んできた別の土砂を使用することで「条例をすり抜ける方法」(県幹部)に切り替えた。

 ただ、県が違反を指摘する敷地内の土砂も一部が辺野古沖に運ばれている。岩屋氏は7日、この土砂を使うかについて「今後の作業をどうするかということまでは決めていない」と述べるにとどめた。