米軍、流弾発射認める 名護数久田発見から5カ月 「管理基準のミス」


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流弾が貫通し割れた作業小屋のガラス=6月22日、名護市数久田

 6月に名護市数久田の農園の作業小屋で発見された実弾について、米軍がキャンプ・シュワブ内の演習場「レンジ10」から演習中に発射された流弾だったと沖縄県警に認めたことが12日、分かった。県警は流弾の発見直後から米軍に照会をしていたが、5カ月以上を経た12日午後に書面で回答を得た。県警は米軍に同種実弾や資料の提供を求めているが、これらはいまだ提供されていない。捜査関係者によると、米軍は「管理基準のミス」によって流弾が発生したとしている。県警はさらに米軍に捜査への協力を求め、立件を目指す。

 流弾によって作業小屋内のガラスが割れたが、米軍が関与を認めてこなかったために、沖縄防衛局による補償が受けられず、農園主の男性は自費で修理していた。男性は米軍が認めたことに「認めてくれて安心した。補償の問題もスムーズにいくと思う」と話した。

 流弾は6月21日にキャンプ・シュワブに隣接する数久田の農園内にある作業小屋で見つかった。男性は外出中で、人的被害はなかった。

 県警は発見後、流弾の線条痕(ライフルマーク)などから重火器から発射された実弾と断定。近隣で重火器を使う米軍に資料の提供を求めた。7月中旬にはレンジ10に立ち入り調査をした。