渡具知市長、判で押した答弁 「コメントする立場にない」 「国と県の動向を注視する」


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 【名護】米軍普天間飛行場の沖縄県名護市辺野古移設を巡り、土砂投入という重要局面を迎えた中、名護市の渡具知武豊市長は従来のコメントを変えず、質問に正面から答えない状態が続いている。記者の取材や市議会での答弁で「コメントする立場にない」「国と県の動向を注視する」と同じ発言を繰り返している。記者の囲み取材や市議会12月定例会の一般質問から、渡具知市長の発言を振り返る。

 土砂が投入された14日、渡具知市長は記者団に「工事の進捗(しんちょく)について逐一コメントすることは差し控えたい」と答えた。

 市議会一般質問で大城敬人氏は、政府の強硬姿勢を批判し「これほどひどいことが行われている。それをコメントする立場にないというのはがっかりだ」と指摘。これに対し渡具知市長は「これまで何度も答弁しているような姿勢を明確にし、市民の負託を受けた」と強調した。

 渡具知市長は2月の市長選の時から、新基地建設に関し「国と県の動向を注視する」と発言してきた。東恩納琢磨氏が「名護市長は『動向を見守る』のではなく、手腕を発揮すべき立場ではないのか。(新基地建設)問題の解決にどう向き合っていくのか」と迫るも「私の考えはこれまでも申し上げた通り」との答弁に終始した。

 仲村善幸氏は新基地建設に関連した安倍晋三首相の発言について「受け入れ先の市長としてどういう見解か」と問いただすと渡具知市長は「一つ一つのコメントは控えたい」と述べた。「なぜコメントできないのか」との追及に市長は「コメントする必要があればコメントするが、その立場にないからコメントしない」とかわした。

 仲村氏が「新基地建設が行われる中で、どういう立場で関係がないと言えるのか」とただしても「先ほどから答弁している通り」と述べたため、仲村氏は「答弁拒否だ」と指摘した。