金武区職員自殺は労災 労基署 前区長らのパワハラ認定


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 【金武】沖縄県金武町金武区事務所の20代男性職員が2017年5月、前区長と同僚の40代男性職員からパワーハラスメントを受け自殺したとして、沖縄労働基準監督署が20代男性の労働災害(労災)を認定していたことが18日、分かった。同日、同署が電話で遺族側弁護士に伝えた。弁護士は「パワハラによる自死が認められた。正当な労災の認定だと考えている」と語った。

 男性が亡くなった原因を知りたいとの強い思いから、男性の遺族はことし3月、沖縄労働基準監督署に労災を申請していた。申請書類には、原因と発生状況について「前区長と同僚から業務指導の範囲を逸脱した叱責(しっせき)、暴言があり、その中には人格や人間性を否定するような言動が含まれ、これが入所当初より執拗(しつよう)に行われた」としていた。

 遺族は本紙取材に「息子の自殺の原因が認められ、一歩進んだ思いだ。前区長と同僚には結果を重く受け止めてほしい」と話した。前区長は本紙の取材に対し「現時点でコメントできない」とした。

 20代男性へのパワハラ自殺を巡っては、遺族の訴えを受け金武区行政委員会が17年7月、区長らを対象に聞き取りをした。その際、区長は「言いすぎた部分はあった」としつつも、パワハラについては否定した。同僚職員もパワハラを否定した。一方、自殺した男性の同級生や区青年会のメンバーは、区長や同僚職員が男性を日常的に罵倒していたと証言した。