辺野古の岩礁破砕差し止め訴訟 沖縄県が上告


この記事を書いた人 大森 茂夫

 米軍普天間飛行場移設に伴う沖縄県名護市辺野古の新基地建設工事を巡り無許可の岩礁破砕は違法として県が国を相手に岩礁破砕の差し止めを求めた訴訟で、県は19日、訴えを退けた福岡高裁那覇支部判決を不服として上告受理を申し立てた。「裁判所の審判の対象にならない」とし控訴を棄却した5日の高裁判断は、判例違反や法令解釈に関する重要な事項があるとして判決の破棄を求めている。

 訴訟は沖縄防衛局が工事現場海域での漁業権消滅を理由に、昨年3月末に期限切れとなった岩礁破砕の許可申請を更新しなかったことから、県は漁業権の有無や無許可の適否を明らかにしようと提起した。

 控訴審で県側は、知事の許可を得ない破砕工事は規則に反し違法と主張したが、高裁判決は自治体が条例や規則に従わせるために訴訟は起こせないとする最高裁判決(2002年の宝塚パチンコ条例事件)を引用し、県の訴えも審判対象外で不適法と判断した。