普天間飛行場の地元、宜野湾市議会が県民投票予算を否決 松川市長「議会の判断は重い」


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県民投票の事務費用を盛り込んだ補正予算を賛成少数で否決する宜野湾市議=20日、宜野湾市議会本会議場

 【宜野湾】米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の埋め立ての賛否を問う県民投票について、同飛行場を抱える宜野湾市の市議会(上地安之議長)は20日午前の最終本議会で、県民投票の事務費用として市当局が提案した補正予算を賛成少数(賛成10、反対15)で否決した。否決直後に松川正則市長が再議に付したが、同じ人数構成で否決した。

 本会議終了後、原案執行権を持つ松川市長は記者団に対し、事務の実施について「議会の判断は重いと実感している。熟慮した上で、一両日中に判断したい」と述べるにとどめた。

記者団の質問に答える松川正則宜野湾市長=20日、宜野湾市役所

 否決されたのは県民投票実施のために1667万1千円を計上した予算案。与党会派の絆輝クラブ9人、絆クラブ3人、公明党3人が反対し、野党会派の結・市民ネットワーク5人、共産党1人、社民党1人、中立会派の共生の会3人が賛成した。

 同市議会は4日に「普天間飛行場問題の危険性除去について明記がなく、騒音問題などで長年苦しんでいる宜野湾市民が置き去りにされる」などとして、市議会与党が提出した県民投票に反対する意見書を賛成多数で可決していた。【琉球新報電子版】