比産バナナに残留農薬 厚労省検査、入荷遅れ懸念も 沖縄県内では確認されず


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 フィリピン産バナナから基準値を超える残留農薬が検出され、厚生労働省は11月末から食品衛生法に基づく輸入バナナの全ロット検査命令を出している。26日までに11件の基準値超えがあったが、那覇検疫所では確認されていない。同省輸入食品安全対策室は「残留のあるものが流通することはない」と述べた。万が一、流通したものを食べた場合でも健康への影響はないという。

 一方、検査強化で出荷が約1週間遅れ、輸入業者は年末年始の数量確保に取り組んでいる。

 厚労省は本年度11月末まで417件でモニタリング検査を実施し、9件で基準値を超える殺虫剤フィプロニルの残留を確認した。11月末以降は2件の基準値超えがあった。違反はいずれも県外の検疫所で確認された。那覇検疫所では11月末から今月26日まで27件を検査し、基準値超えは確認されていない。

 輸入バナナを取り扱う那覇青果物卸商事業協同組合(那覇市港町)の担当者は「現在は注文の50~60%しか回答しきれない状態だ。年明けまで厳しいことが予想され、落ち着くのは1月中旬以降になるのでは」と語った。

 検査結果が判明するまで出荷は留め置かれ、年末年始の検疫業務の休止や船便の輸送日程によっては品薄になることが想定されるという。価格の上昇はないという。