社長が清算意向、パワハラ・セクハラ訴えも 宮古新報、全社員に解雇通告 労組は退陣要求


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宮古新報社の社屋=10日、沖縄県の宮古島市平良西里

 沖縄県の宮古島市内で日刊紙を発行する宮古新報社の座喜味弘二社長(87)が10日、全社員に解雇通告し、宮古新報を廃刊し会社を清算する意向を示した。座喜味社長によるパワハラ・セクハラ行為があったとして、宮古新報労働組合は昨年11月、退陣を要求していた。組合は今後、社に団体交渉を申し入れるなどして事業継続を模索し、新聞発行も続けていく方針を示している。 

 宮古新報労によると9日、会社側代理人から「解雇通知を10日付で出す」との通告が口頭であり、10日に全社員に対し文書で解雇通知が出された。

 業績不振による赤字経営が続いており、事業存続が困難と記載されていたという。

 労組の退陣要求に対し、座喜味社長は「パワハラ・セクハラの事実はない」とした上で、体調不良などを理由に社長退任と事業譲渡の意向を示し、代理人を立てて会社の売却を検討していた。しかし、輪転機の評価額などを巡って交渉先と折り合わず、事業譲渡は頓挫している。

 解雇通知が出された後は、解雇通告やパワハラ・セクハラの事実の有無について同社や座喜味社長はコメントを控えている。労組幹部の伊佐次郎さんは「地域で果たす役割の大きい新聞を、個人の判断で一方的に清算するのはあってはならない」と述べた。