「投票権を侵害」と市民が宜野湾市を提訴へ 原告団募集


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 市長や市議会の判断で名護市辺野古への新基地建設の賛否を問う県民投票に参加できない状況となっている自治体の住民らは15日、多様な行動で投票実施を要求し、切実な思いを訴えた。市長が県民投票の事務を実施しない意向を示している宜野湾市では、市民有志が市を相手に国家賠償請求訴訟を起こす考えを表明した。県民投票の実現に取り組んできた「辺野古」県民投票の会の元山仁士郎代表は宜野湾市役所前で「ハンガーストライキ」を実施、沖縄市や宮古島市でも住民らが集会や座り込み行動を通し抗議の声を上げた。

松川正則宜野湾市長に投票事務の実施を求め、ガンバロー三唱する市民ら=15日、宜野湾市役所前

 【宜野湾】米軍普天間飛行場の移設に伴う沖縄県名護市辺野古の埋め立て賛否を問う県民投票を巡り、宜野湾市の松川正則市長が事務を実施しない意向を表明していることを受け、市民有志でつくる「県民投票じのーんちゅの会」は15日、宜野湾市を相手に国家賠償請求訴訟を起こす意向を表明した。市民の投票権が侵害されたとして、慰謝料を求める。同日から県民投票当日の2月24日まで原告団を募集し、3月中をめどに提訴する考え。

 県内5市の首長が県民投票への不参加の方針を示しているが、投票権に関する訴訟の動きが具体化するのは宜野湾市が初めて。

 原告団の資格は市内に居住する投票資格者。1人当たり1万円を請求する。原告団の人数は、県民投票の実施を求め、署名した市内の有効署名数4813人以上を目指す。じのーんちゅの会の共同代表を務める宮城一郎県議は「権利が剥奪された時の償いを求めていく」と訴訟理由を説明した。

 同団体は会見後、市役所前で抗議集会を開いた。市民ら約120人が集い「市長の判断で市民の参政権を奪うことはあってはならない」などとする抗議決議を採択した。

 原告団の申し込みなど問い合わせは県民投票じのーんちゅの会(宮城県議)(電話)050(1581)0818。