辺野古土砂投入 学生投票 琉大生「反対」75% 「国の強硬姿勢許せぬ」「県民の声を聞け」


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辺野古沿岸部の土砂投入の賛否を問う琉大生投票の結果について話し合う比嘉隆一郎学生会長(左)と学生会執行委員の橋爪翔さん=西原町の琉球大学

 琉球大学学生会は昨年10月、辺野古沿岸部への土砂投入の賛否を問う学生投票を実施した。約75%の学生が「反対」「どちらかといえば反対」と答えた。総投票数は1259票。「反対」467票、「どちらかと言えば反対」476票、「賛成」81票、「どちらかと言えば賛成」83票、白票もしくは「どちらとも言えない」152票だった。比嘉隆一郎学生会長は「学生が新基地建設に対する意思表示をする場がなかった。これほど多くの学生が反対の意見を持っていたというのは驚いたが、意思を示せる良い機会になった」と語った。

 投票は、多くの学生が集まる共通棟での講義前やサークルのミーティングの時間などに呼び掛けた。投票用紙に設けたメッセージ欄には「国の強硬姿勢は許せない」「きれいな海は二度と戻らない」「国は県民の声を聞いていないのか」と怒りの声が並んだ。賛成票を投じた学生からは「国が決めたことなので仕方がない」「普天間の危険性除去が優先」との意見があった。

 学生投票が実施された直後の10月26日、県は議会本会議で米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う埋め立ての賛否を問う県民投票条例案を可決した。県民投票は現在、宜野湾、沖縄、うるま、宮古島、石垣では市長が投票への不参加を表明しており、全県実施が難しい状況にある。

 学生投票の時には、執行部に「移設に反対だという声を上げる場所がなかった。機会を設けてくれてありがとう」と感謝する学生もいたという。宜野湾市に住む学生会執行委員の橋爪翔さんは「投票の権利を奪うのはおかしい。反対の声を封じ込めたいのかと考えてしまう」と憤り、「一票を投じたい」と全県実施を訴える。

 比嘉会長は「本来ならば知事選で民意は示されているので、県民投票までしなければいけないという状況も悔しいが、沖縄県民の意志を再度示し、『辺野古が唯一』という強硬姿勢の政権に打撃を与えることになれば」と語った。