県民投票 5市、投票向け準備


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 名護市辺野古の埋め立て賛否を問う県民投票を巡り、選択肢を3択に増やす条例改正に県議会が合意したことを受け、投票に不参加を表明していた5市の市長は25日、一様に参加に向けて取り組む考えを示した。

 米軍普天間飛行場を抱える宜野湾市の松川正則市長は記者団に対し「(全会一致の)結果が出たので、市として方向を変える必要がある」と述べ、県民投票に参加する意向を改めて示した。市民に対しては「県民投票で意思表示をしていただきたいという旨を広報していく」と述べた。再議も含め関連予算を2回否決した市議会には「執行に向けてお願いしている」と語った。

 沖縄市の桑江朝千夫市長は県政与野党で全会一致となったことを評価し「今度は私が市政与党の説得に向け汗をかきたい」とし、2月1日にも臨時議会を開くとした。

 うるま市の島袋俊夫市長は「全県実施、全県民の民意が反映される手法を県に求めてきた。その意にかなう方向で結論が出たことを大変喜んでいる」と参加に前向きな姿勢を示した。市民団体が県民投票の実施を求めた決議文を手交する場で発言した。

 記者団には「全県実施の方向性を導き出したのは大きな進歩」と県議会での議論を評価した上で「遅滞なく事務執行ができる準備を整え、県からの指示を待ちたい」と意欲を見せた。

 石垣市の中山義隆市長は報道陣の取材に「市議会の判断を待ちたい」とした上で「県議会で全会一致なので(実施を)理解してもらえるのではないか」と述べ、同市でも県民投票が実施されるとの見方を示した。

 市議会事務局によると、投票事務に係る経費に関する補正予算案を採決する臨時議会を2月1日に開く方向で調整が進んでいる。前回反対だった公明会派などが賛成する方針のため、予算案は可決される見通し。一方で自民会派は25日に会合を開き、3択案に否定的な見解でまとまった。予算案には反対か退席で対応するとみられる。

 宮古島市の下地敏彦市長は「3択で合意したことは評価したい。29日の県議会の最終的な決定を見極め、県には丁寧な説明を求めたい」と要望した。その結果を受けて「市長として全体協議会で市議に説明をした上で最終的な判断をする」とした。