中村透さん死去 作曲家


社会
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中村透さん

 作曲家で南城市文化センターシュガーホールの元芸術監督の中村透(なかむら・とおる)さんが7日午前、県内の病院で亡くなった。72歳。

 中村さんは1946年北海道生まれ。国立音楽大学大学院作曲科修了。75年に琉球大学に赴任。オペラ「キジムナー時を翔る」では90年度文化庁舞台芸術創作奨励特別賞を受賞した。94年にはシュガーホールの芸術監督に就任した。

 中村さんは県内にある琉球古典音楽や古謡、民謡をオーケストラや合唱に編曲し、合唱曲では「四つの沖縄の歌」「真南風の祈り」、オーケストラでは「かぎやで風」を舞踊と三線を入れて編曲し、県内外で演奏されている。

 2017年には「交響絵図 摩文仁野第2番~南風のみたもの~」を作曲。同曲は琉球交響楽団の定期演奏会で披露され、戦争の悲惨さ、愚かさを管弦楽や打楽器、ピアノで力強く表現し観客を魅了した。

 18年には、沖縄古謡を題材とした無伴奏男声合唱組曲「真砂(まいらさ)」が沖縄男声合唱団によって歌われた。

 2004年琉球新報社第2回宮良長包音楽賞受賞。琉球大学名誉教授。【琉球新報電子版】