県民意思どう反映 県民投票フォーラム 識者、辺野古を分析


社会
この記事を書いた人 大森 茂夫
2・24県民投票フォーラムに登壇した(左から)野添文彬氏、小川和久氏、前泊博盛氏=7日、那覇市の沖縄タイムスホール

 14日告示、24日投開票の県民投票に向け、辺野古埋め立ての賛否を考えようと、県主催の「2・24県民投票フォーラム」が7日、沖縄県那覇市の沖縄タイムスホールで開催された。軍事アナリストで静岡県立大特任教授の小川和久氏、沖縄国際大・大学院教授の前泊博盛氏、沖縄国際大准教授の野添文彬氏の3氏が登壇した。約240人が来場し、返還合意から23年が経過した米軍普天間飛行場移設問題の経緯や、辺野古新基地建設の利点や問題点などに関する活発な討論に聞き入った。

 民主党政権時にキャンプ・ハンセン陸上案を米側に提示した小川氏は「有事の際は一時的にせよ沖縄に300機ほどの米軍機を引き受けることになるが、辺野古では狭すぎて軍事的合理性がない」と説明。政府が3600億円としている建設費について「ビジネスの話になってしまっている。V字滑走路に決まる経緯を整理しなければ平和国家と言えない」と指摘した。

 前泊氏は、辺野古移設を容認する根拠の一つとして取り沙汰される“中国脅威論”について「何かあったら一度に全てを失う恐れがあることから、米側からも『沖縄に米軍基地が集中しすぎている』という意見が出ている」と言及。その上で県が2兆5500億円と試算する辺野古埋め立ての工事費について「沖縄ではなく、県外のゼネコンに流れてしまう懸念もある。予算や環境、振興などあらゆる面を見極めて投票する必要がある」と話した。

 野添氏は「複雑極まりない経緯をたどってきたが、国がどんどん埋め立て工事を進める中で、県民の意思をどう政策に反映させていくかが問われている」と県民投票の意義を解説。その上で「日本政府、米政府に民意を伝えて、政策を変更させていくかをこれからきちんと考えていく必要がある」と強調した。

 フォーラムの冒頭、玉城デニー知事のあいさつを代読した謝花喜一郎副知事が、15日から始まる期日前投票や24日の投票日に足を運んで投票するよう呼び掛けた。