辺野古新基地建設は「日本全体の問題」 全国各地で県民投票の模擬投票


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
草津駅前で実施している辺野古埋め立ての賛否を問う模擬投票に投票する女性=14日、滋賀県

 沖縄県名護市辺野古の新基地建設に伴う埋め立ての賛否を問う24日投開票の県民投票に合わせ、全国各地で市民団体による模擬投票が実施されている。告示の14日は、滋賀県の団体が草津市と大津市で模擬投票を実施。大阪府を拠点に活動する全国交歓会(ZENKO)は沖縄以外の全国130カ所で始めた。すでに東京都や埼玉県でも同様の模擬投票が行われている。新基地建設問題を沖縄だけに押し付けるのではなく、日本全体の問題として捉え直す動きが全国で広がっている。

 沖縄から約1600キロ離れた滋賀県で14日、県出身者などで作る「いちゃりば沖縄の会」が「沖縄県民投票に連帯する『滋賀市民投票』」と題し、模擬投票を行った。雪がちらつく中、草津市と大津市の街頭に投票箱を設置し国籍や年齢を問わず通行人に投票を呼び掛けた。滋賀県では1996年に実施された県民投票の際も、県人会を中心に模擬投票が行われた。久米島町出身で今回模擬投票を呼び掛けた髙間エツ子さん(67)は「96年と比べると道行く人は冷ややかな印象だ。しかし、賛否はどちらでもいい、本土の人たちが沖縄の現状を知るきっかけになってほしい」と強調した。

 沖縄の会は24日までに模擬投票を7回実施、同日開票する。このほか山形、新潟、福岡、大阪、埼玉でも24日の投票日までに模擬投票を予定している。大阪で2度模擬投票を行った松本亜季さん(36)は「模擬投票を重ねることで、若い人の中には基地問題に関心を示す人が出てきている」と話した。

 ZENKOが実施する模擬投票はホームページ(HP)上からも投票できる。国籍、居住地、年齢などは問わない。投票期間は14~24日。ZENKOは「沖縄県民の闘いに連帯し、本土からも辺野古新基地建設に反対する声を届けようと市民投票に取り組む」としている。投票結果は24日の午後10時ごろにHP上に反映される。