同じ岩ずりなのに?辺野古沿岸部埋め立て用の単価は護岸用の3倍 総額45億円高く 防衛相「需要増で変動」と説明 見積もりは1社だけ


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 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設で、沖縄防衛局が辺野古沿岸部に投入している岩ずりを護岸用土砂の約3倍の価格で発注していたことが分かった。辺野古側への土砂投入のために発注された岩ずりは129万立方メートルで、護岸用の岩ずり単価と比べ、総額約45億円高く購入したことになる。沖縄平和市民連絡会メンバーで土木技師の北上田毅氏が情報公開請求で入手した資料で判明した。

 防衛局は2014年度に契約した護岸工事で、岩ずりの単価を1立方メートル当たり1870円に設定していた。一方、現在施工中の辺野古沿岸部の土砂投入では、運搬費などを除く岩ずりだけで1立方メートル5370円と設定している。積み込みや運搬の費用を含めると、1立方メートル当たり1万1290円に上る。

 岩屋毅防衛相は19日の会見で「岩ずりの単価は流通している商品だから調達時期や需給状況で変動する。那覇空港の滑走路増設という大型事業があり、需要増加などで価格が変動したと認識している」と述べた。

 埋め立て用岩ずりを巡っては1社だけの見積もりで、沖縄総合事務局が使っている資材価格と比べて割高な単価となっている。防衛省の内規は材料単価の算定は原則3社以上から見積もりを取ると定めている。