内閣記者会への申し入れ文書 きっかけは「辺野古」 官房長官会見で検証特集


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菅義偉官房長官

 【東京】総理大臣官邸の上村秀紀報道室長名で昨年12月28日に内閣記者会に対して出された申し入れ文書は、同26日に東京新聞の望月衣塑子記者が菅義偉官房長官の会見で聞いた質問がきっかけだった。米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設に関する内容だ。

 記者が辺野古の工事現場で赤土が広がっているとした上で「沖縄防衛局が実態を把握できていない」とただした部分に触れ「防衛局は、埋め立て工事前に埋め立て材が仕様書通りの材料であることを確認した」とした。「琉球セメントが県の調査を拒否した」という記者の質問には「同社は県による立ち入り調査を受けている」とし「これらは明らかに事実に反する」と強調した。

 また「赤土が広がっている」の部分についても「現場では埋め立て区域外の水域への汚濁防止措置を講じた上で工事を行っており、あたかも現場で赤土による汚濁が広がっているかのような表現は適切ではない」との見解を示した。

 長官会見は生中継されているとし「正確でない質問に起因するやりとりが行われる場合、内外の幅広い層の視聴者に誤った事実認識を拡散させることになりかねない」とした。記者の質問を「問題行為」とした上で「広報室として深刻なものと捉えており、貴記者会に対してこのような問題意識の共有をお願いする」と求めた。その上で今回の申し入れは「記者の質問の権利に何らかの条件や制限を設けること等を意図したものではない」とした。官邸報道室は本紙の取材に「過去に何度もやりとりがあった中での文章だ」とし「沖縄だから出したものではない」とした。