県民投票「これからだ」 知事 元山代表ら声明文手交


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玉城デニー知事(右)に声明文を手渡す「辺野古」県民投票の会の元山仁士郎代表=13日、県庁知事応接室

 「辺野古」県民投票の会の元山仁士郎代表や請求代表者らが13日、県庁に玉城デニー知事を訪ね、名護市辺野古の埋め立てが反対多数となった県民投票の結果を踏まえ、県内移設によらない普天間飛行場の閉鎖・返還の決定を日米両政府に求める声明文を手渡した。玉城知事は「建白書の実現と辺野古移設断念を求める翁長前知事と私の方針は揺るぎないものとなり、信任を与えてもらった。県民投票は終わったのではなく、これからが始まりだ」と述べ、新基地建設阻止の行動や国民的議論の喚起に向けた決意を改めて示した。

 9万2848筆の有効署名を集めて辺野古埋め立ての賛否を問う県民投票条例の制定を直接請求した県民投票の会は、26日の解散総会をもって昨年5月に始まった活動を締めくくる。
 4月から大学院に復学する元山代表は「県民一人一人が、沖縄の将来をどう考えるかと向き合う機会になった。基地問題に内包される民主主義や人権、自由という問題を本土に住む人たちがどう考えるのかと突き付ける契機にもなった」と意義を振り返った。
 面談で会副代表の新垣勉弁護士は「県レベルで住民投票を実現できるのは沖縄だけで、改めて民主主義の重要性を感じる」と述べた。玉城知事は「96年の県民投票の時の原動力とは起こり方がまた違った。賛成でも反対でもいいから皆で議論して投票に参加しようという若い人たちの呼び掛けは力強く、まぎれもない民主主義の実践だった」とねぎらった。玉城知事に手交した声明文は2月24日の県民投票で埋め立て反対が投票者の7割を超す結果が出たことを受け、当日夜に発表した。
 声明では「辺野古への代替施設建設が普天間飛行場の危険性除去の『唯一の選択肢』だと判断した国策の是非を問うものだった。沖縄県民は明確に反対の意思を示した。政府はこの民意を重く受け止め、民主主義の基本に立ち返り、直ちに埋め立て工事を中止・断念すべきだ」と訴えている。