辺野古作業場軟弱地盤 巨大ケーソンどこへ 1基7400トン・38基 ヤード確保難航か


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 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で、埋め立てを予定する大浦湾側には、海上作業ヤードの設置予定地だった海底にも軟弱地盤が広がり、作業ヤードを設置するめどが立っていないことが判明した。改良工事とともに、作業ヤードの設置場所確保にも時間がかかるとみられる。

那覇空港滑走路増設のために使われた、超大型起重機船につられるケーソン。辺野古埋め立てに使用されるものはさらに大きいとみられる=那覇港新港地区

 海上作業ヤードは海底に大量の石材を投入して造る台座のような役割を果たす構築物。沖縄防衛局は(1)縦285メートル横60メートル(2)縦172メートル横45メートル(3)縦119メートル横40メートル―の三つの台座を造る予定だった。それぞれ水深17メートル、10メートル、6メートルの所に造る計画だった。その上に大型ケーソンが仮置きすることを想定していた。

 ケーソンは1基当たり長さ52メートル、幅22メートル、高さ24メートルで、重量は約7400トンに上る。C―1、C―2、C―3の各護岸や係船機能付き護岸などに設置することを予定しており、38基使われる。

 ケーソンは海上作業ヤードに仮置きした後、護岸の設置予定場所に大型クレーン船で運ぶ。ケーソンの設置予定場所ではまず、土台となる基礎捨石を投下して地盤を均等にならす。その上にケーソンを設置した後、土砂を入れ、さらに重量を増やしてふたをする。その後、動かないようにブロックなどで固定する予定だ。

 防衛局が2014年に実施したボーリング調査では、海上作業ヤードの設置予定地4カ所45地点で、地盤の強度を示すN値が最も軟弱なことを指す「0」を示していた。防衛局は海上作業ヤードには同時に複数基のケーソンを仮置きする予定だが、現時点で設置場所は決まっていない。

 (嶋岡すみれ)