仲里周磨、地元で初勝利 ボクシング「MUGEN」


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8回 強烈なボディーを放つ仲里周磨=21日、豊見城市民体育館(大城直也撮影)

 ボクシングの「MUGEN 挑 vol・11」は21日、沖縄県豊見城市民体育館で行われ、メーンのスーパーフェザー級8回戦のリングに上がった仲里周磨(ボクシングクラブナカザト)は3―0でローレンス・ロサス(フィリピン)に判定勝ちした。仲里の戦績は11戦8勝(6KO)1敗2分。セミファイナルの50キロ契約8回戦の荻堂盛太(平仲)と、女子バンタム級6回戦の平安山裕子(同)も判定勝ちだった。同イベントは全6試合行われたほか、ルーキーズトーナメント2019として計5試合が行われた。

◆着実にポイント重ね判定

 プロになって初めて沖縄のリングに立った仲里周磨(中部商高出、ナカザト)は、フットワークで攻撃をかわすローレンス・ロサスを着実に追い詰め、3―0で判定勝利した。マイクを握ると応援に駆け付けた友人や親類に感謝しつつ、「KOを見せたかったけど、相手の守備がうまくて倒せませんでした」と、強い向上心を見せた。

 序盤から脚でかわす相手サウスポーに対し、仲里は左のジャブ二つから、右のボディーストレートやフックを当てていく。テンポとキレの良い攻撃が相手を追い詰めると思いきや、3回から「左足ふくらはぎがつって、踏み込むたびに『ビキッ』ときた」と、追撃できない。そこに相手の返しを被弾したが、クリーンヒットはなし。

 主導権は仲里が握っていた。終盤はしつこいクリンチにいらだちながらもペースを乱さず、着実にポイントを重ねて勝利をつかんだ。

 9カ月前の試合で左まぶたを深く切り、本試合まで間が開いた仲里。今秋にランカーとの試合も想定しており、不要なブランクを作らないよう、父の繁会長も「バッティングを受けないように無理なく攻めさせた」という。

 それでも興業のメーンを担える実力を証明した仲里は、地元での勝利を糧に「大きな目標もありますが、まずは日本の頂点を目指します」と、ファンに誓った。
 (嘉陽拓也)