辺野古新区域 きょう土砂 菅氏、移設「進める」


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名護市辺野古の新基地建設で、新たな土砂投入を前日に控えた埋め立て区域「2-1」。米軍キャンプ・シュワブが一般開放されたこの日、来場者は砂浜の手前まで近づくことができた=24日午後

 米軍普天間飛行場の移設に伴い国が名護市辺野古で進めている新基地建設で、沖縄防衛局は25日にも新たな埋め立て区域への土砂投入を始める。玉城デニー知事は埋め立て反対が7割を超えた県民投票結果などを踏まえ、新たな土砂投入を含めた埋め立て工事を中止するよう安倍晋三首相に求めたが、政府は既定方針通り土砂投入することを県に伝えている。24日に日帰りで来県した菅義偉官房長官は記者団に「地元の理解を得て辺野古移設を進めていく考えに変わりはない」と政府の方針を強調した。

 一方で埋め立て区域内に存在する軟弱地盤に対応するために大幅な設計の変更が必要になることを政府自身が認めており、完成までの工期や事業費のめどが示されないなど、新基地建設工事の実現性について国会でも追及が強まっている。

 沖縄防衛局は昨年12月に、シュワブ内にある辺野古崎南西側の沿岸部約6・3ヘクタールへ埋め立て土砂の投入を始めた。また、県赤土等流出防止条例に基づいて1月に防衛局が県に提出した通知によると、現在土砂を投入している区域に隣接した約33ヘクタールの区域を埋め立てる新たな工事に今月25日から着手するとしている。

 これに対し16日に那覇新都心公園で開かれた「辺野古新基地建設断念を求める3・16県民大会」に主催者発表で1万人が集まるなど、県民投票の結果が出た後も埋め立てを続ける政府の姿勢に反発の動きがある。新基地建設に反対する市民は、25日朝から辺野古の海上や米軍キャンプ・シュワブゲート前で通常より規模を拡大した抗議行動への参加を呼び掛けており、東京都内でも連帯した集会が予定されている。