宮古警備隊を配備 防衛省、南西防衛強化 奄美にも 反対の市民抗議


この記事を書いた人 大森 茂夫
宮古警備隊編成完結式に出席する下地敏彦宮古島市長(右から5人目)と陸上自衛隊第15旅団長の原田智総陸将補(同6人目)ら=26日、宮古島市上野野原の陸上自衛隊宮古島駐屯地

 【宮古島】南西諸島の陸上自衛隊配備計画を巡り、宮古島市上野野原に新設された宮古島駐屯地に26日、宮古警備隊約380人が編成された。1972年の沖縄の日本復帰後、自衛隊施設新設は2016年3月の陸自与那国駐屯地(沿岸監視160人)に続いて2度目。鹿児島県の奄美大島でも同日、警備隊と地対空・地対艦ミサイル部隊の計約550人が配置された。防衛省は、石垣島でも部隊配備に向け駐屯地建設に着手しており、同省が「防衛の空白地帯」とする南西諸島の防衛強化の動きが進んでいる。

 駐屯地正門前では、配備反対を訴える市民ら約30人がプラカードを掲げて抗議。市民らは21日の抗議集会で採択した抗議決議文を警備隊副隊長に手渡した。

 宮古警備隊は有事の際の初動対応や、島しょ奪還を任務とする水陸機動団(長崎県)など本土からの増援部隊受け入れなどを担う。

宮古警備隊の児玉太郎副隊長(左)に決議文を手渡す「ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会」の仲里成繁代表(右)=26日、陸上自衛隊宮古島駐屯地正門前

 この日、宮古島駐屯地内の体育館で編成完結式が行われ、宮古警備隊員や下地敏彦宮古島市長ら関係者が出席した。編成完結式では、宮古警備隊長の田中広明一等陸佐が、第15旅団長の原田智総陸将補に部隊編成の完了を報告した。

 原田陸将補は「宮古警備隊の配備はわが国南西区域の抑止体制を確立するためであり、最前線部隊として宮古列島の防衛という極めて重要で、安全保障に死活的な任務を担う」と強調した。その上で「宮古島市民、多良間村民と共にあり、愛される警備隊となるよう任務にまい進してほしい」と述べた。

 下地宮古島市長は「警備隊が配置されることで、災害に強い、安全で安心な島づくりに向けて、共に手を取り合って歩んでいけることを期待したい」とあいさつした。

 今回の部隊編成に伴い、陸自は4月7日に宮古島駐屯地で部隊旗を授与する式典を行う。