市民を米軍機事故から守る「平和な空条例」請願を不採択 普天間飛行場の地元・宜野湾市議会


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 【宜野湾】宜野湾市議会(上地安之議長)は26日、米軍機事故から市民を守ることを目的とした「宜野湾市平和な空を守る条例」制定を求める請願について、反対18、賛成6(欠席1)の反対多数で不採択とした。請願した「宜野湾市平和な空を守る条例」制定請願の会は「まともな理由が示されていない。不条理な決定をした市議会に深い憂慮を覚える」とする声明を発表した。今後、再度の請願や署名集めを検討する。

 傍聴席には請願の会の市民ら約30人が詰め掛け、採決を見守った。

 討論では反対の市議が「抗議や要請は高度に政治的で、市長、市議会の判断で行動すべきだ」「法律に抵触する可能性も否めない」と主張した一方、賛成の市議は「米軍は事故を起こしても原因究明もしない。対策を講じないといけない」「否決は市民の安全を守る意思がないと理解されてしまう」と訴えた。

 討論後、採決前に野党市議が総務常任委員会に再付託し、継続審議を求める動議を提出したが、反対多数で否決された。

 条例の素案では、人口密集地上空の飛行禁止を市が米軍に求めることや、危険な飛行をしないことを市の施設屋上で注意喚起することなどを盛り込んでいた。請願の会では、昨年10月までに制定に同意する署名8868筆(うち宜野湾市民3846筆)を集めた。