世界初確認 雄グッピーが外来魚駆逐 在来メダカ保護で琉球大学


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
グッピーの雄(鶴井香織特命助教提供)

 琉球大学は1日、「世界のワースト外来種100」に選定されている小魚「カダヤシ」を、グッピーが駆逐するメカニズムを解明したと発表した。カダヤシの雌とグッピーの雌が似ているため、グッピーの雄が間違えて交尾し、稚魚が生まれなくなるという。この「繁殖干渉」という現象が卵胎生魚(卵を産まず、体内で稚魚をかえす魚)で起こることを実証できたのは世界初。グッピーでカダヤシを駆除できる可能性を見いだした発見で、カダヤシに生息域を脅かされている沖縄県内のミナミメダカ(通称リュウキュウメダカ)にとって朗報となりそうだ。

 研究したのは、琉大戦略的研究プロジェクトセンターの鶴井香織特命助教と辻瑞樹農学部教授らのチーム。県内50地点でカダヤシとグッピーの捕獲調査をした結果、カダヤシはグッピーがいないか、少ない場所にのみ生息していることが判明した。

 さらに、水槽で実験したところ、カダヤシの雌がグッピーの雄と同居した時にだけ、産む稚魚の数が減少することを確認した。

 グッピーの雄を使ってカダヤシを根絶する手法を確立するため、研究チームは屋外プールでの実証実験や稚魚の数が減る生理学的な解明を進めている。