米軍のリバティー制度って何? 集団女性暴行が発端


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 2012年10月、本島中部の住宅街で米海軍兵2人が帰宅途中の20代女性に性的乱暴をした集団女性暴行事件が導入の発端となった「リバティー制度」。県民の反発を受けた在日米軍は、全軍人を対象に深夜の外出禁止令(午後11時~午前5時)を発令した。

 しかし、翌11月には読谷村で嘉手納基地所属の米兵が酒を飲み民家に侵入、中学生を殴打する事件が起きた。その後、在沖米軍は基地外での飲酒を全面禁止する措置を取った。

 16年には酒に酔った米兵が本島南部のホテルで女性を暴行した。米軍は緊急時や業務など特殊な事情がある場合、個別に適用する「特別リバティー(資格)」で認めていた牧港補給地区以南での宿泊を全面禁止に改定した。

 「リバティー制度」は外務省沖縄事務所が事務局となって県や市町村、関係団体などでつくる「米軍人・軍属等による事件・事故の防止のための協力ワーキング・チーム」で2000年からその都度、制度の内容や効果的な実施の支援と協力を検討してきている。

 これまで米兵による事件事故が発生するたびに同制度の強化と緩和を繰り返す在日米軍。形骸化した制度が事件事故の抑止に効果があるのか疑問視する声もある。