弾薬保管「丁寧に説明」 岩屋防衛相 隊旗を授与 宮古警備隊「南西の礎」


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田中広明宮古警備隊長(右)に隊旗を授与する岩谷毅防衛相(左)=7日、宮古島市上野野原の宮古島駐屯地

 【宮古島】陸上自衛隊第15旅団宮古警備隊の隊旗授与式が7日、沖縄県宮古島市上野野原の宮古島駐屯地で開かれた。約380人の隊員を前に岩屋毅防衛相が田中広明宮古警備隊長に隊旗を授与した。

 住民への説明がないまま中距離多目的誘導弾(ミサイル)などの弾薬が同駐屯地に保管されていた問題で、報道陣の取材に応じた岩屋氏は弾薬は既に島外に搬出したことを明かした上で「より丁寧に地域の方々に説明したい」と述べた。保良鉱山地区に整備予定の弾薬庫が完成後、弾薬を再び保管する方針。反発が高まっている中での式典開催に、地元住民から抗議の声も上がった。

 岩屋氏が防衛相就任後、先島諸島を訪れるのは初めて。岩屋氏は式典で訓示し「宮古島はわが国防衛の最前線であり、隊の発足は南西地域における各種事態への対処の礎を築くものだ」と強調した。田中警備隊長は「宮古列島の平和を守るという使命を踏まえて日々精進し、地域の方々から一刻も早く信頼していただけるように励みたい」と答辞を述べた。

 一方、同駐屯地付近では7日午前から、弾薬庫の撤去や陸自配備反対を訴える市民ら約40人が「住民をだますな」「弾薬庫を撤去せよ」などとシュプレヒコールを上げ、プラカードを掲げて抗議した。式典中、市民らの批判の声で訓示が聞こえなくなる場面もあった。

 式典後、岩屋氏は周辺住民に説明のないままミサイルなどが保管されていた問題について、下地敏彦宮古島市長、千代田地区の代表者と面会し「説明が不十分で申し訳なかった」と謝罪した。弾薬の搬出は6日までに終えたとして、今後、市城辺の保良鉱山地区に整備予定の弾薬庫が完成してから弾薬庫に保管する方針を示した。

 宮古警備隊は有事の際の初動対応や、島しょ奪還を任務とする水陸機動団など本土からの増援部隊受け入れなどを担う。自衛隊施設新設は1972年の沖縄の日本復帰後、2016年3月の陸自与那国駐屯地に続いて2例目となる。