屋良氏優位、島尻氏猛追 衆院沖縄3区補選電話世論調査


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(左から)屋良朝博氏、島尻安伊子氏

 21日投開票の衆院沖縄3区補欠選挙を前に琉球新報社と共同通信社は合同で12、13の両日、3区内の有権者を対象に電話による世論調査を実施し、選挙戦の情勢を探った。本紙の取材を加味すると、「オール沖縄」陣営が推すフリージャーナリストで新人の屋良朝博氏(56)=無所属=が優位な戦いを進め、元沖縄北方担当相で新人の島尻安伊子氏(54)=自民公認、公明、維新推薦=が猛烈に追っている。ただ約3割の有権者が投票先を決めておらず、浮動票の獲得が終盤の情勢を左右しそうだ。

 3区補選に「大いに関心がある」「ある程度関心がある」と答えた人の割合は75.1%で、補選への関心の高さがうかがえた。ただ、本紙が昨年9月の知事選時に実施した世論調査と比較すると、知事選は9割強の人が「関心ある」と答えており、全県選挙である知事選よりは関心度が低い状況となっている。

 最も重視する政策を聞くと、米軍普天間飛行場の「辺野古移設問題」が42.0%と最も高く、基地問題への関心の高さをうかがわせた。次いで、「医療・福祉・介護」が20.2%、「経済振興・雇用」が16.7%、「教育・子育て」が11.8%と続いた。

 屋良氏を支持すると答えた人は辺野古移設問題を最も重視する傾向にあり、島尻氏は経済振興・雇用、医療・福祉・介護を重視する層から支持がある。

 地域別では、無党派層が多い沖縄市などの都市部で屋良氏が浸透している。島尻氏は国頭郡など北部を中心に支持を拡大している。年齢別では、屋良氏が50代や70歳以上で先行するのに対し、島尻氏は40代や60代で勢いがある。

 支持政党別では、屋良氏は社民や共産、立憲民主、自由党などで票を固めつつある。島尻氏は自民支持層の7割以上を固めた。公明支持層は島尻氏を支持する傾向が強いが、一部は屋良氏に流れている。維新の支持層は屋良氏と島尻氏で分かれている。

 全体の4割強を占める無党派層では、屋良氏が浸透し、島尻氏が猛追している。一方、態度未定の大半が支持政党を持たない無党派層になっており、無党派層対策と、都市部の浮動票対策が当落の鍵を握りそうだ。