米軍絡みの事件「またか」 憤りと落胆の声上がる リバティー制度緩和に疑問も


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 女性を巻き込む米軍関係者の事件がまた起きてしまった―。北谷町桑江のアパートで、遺体で見つかった男性は第3海兵師団に所属する米海軍兵だった。海軍兵がその部屋に住む日本人女性を殺害し自殺したとの情報もあり、「米兵絡みの事件がなくなることはないのか」という憤りや落胆の声が聞かれた。

 「またか…」。名護市辺野古の新基地建設で抗議活動をしていた同市の大畑豊さん(55)は肩を落とした。米軍キャンプ・シュワブのゲート前にいた東村高江のミュージシャン、石原岳さん(48)も「基地がなければ起きない事件だ」と怒りをあらわにした。

 男女は交際中とみられ、少なくとも12日夜から一緒にいたことが分かっている。「行動制限を緩和した矢先の事件で怒りを覚える」。「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」の高里鈴代共同代表は語る。

 2016年3月に飲酒後、外泊していた米兵が観光客の日本人女性に暴行した事件を機に、在沖米軍は米兵の勤務時間外の行動を規定するリバティー制度を厳格化。ただ、今年2月下旬には「沖縄を楽しんでほしい」(エリック・スミス四軍調整官)と大幅に緩和していた。

 高里共同代表は「米兵が凶悪事件を起こしたためにとられた措置が、自分たちを不自由にしていたかのような発言には違和感がある」とした上で「事件がなくならない限り、制限を続けるべきだ」と訴えた。

 なぜ事件は起きたのか。県警は、2人の間にトラブルがなかったかなどを調べている。ニュースを聞いた与那原町の男性(53)は「しっかりと捜査して、真相を明らかにしてほしい」と話した。