国に賠償命令も賠償額は減 飛行差し止め認めず 「普天間基地提供協定」の違憲判断避ける 第2次普天間爆音訴訟


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 玉城江梨子
「差止めまたも認めず」などと書かれた垂れ幕を掲げる弁護団=16日午後、那覇市楚辺

 米軍普天間飛行場の周辺住民3415人が実質的な米軍機の飛行差し止めや過去、将来分の損害賠償などを求めた第2次普天間爆音訴訟の控訴審判決が16日、福岡高裁那覇支部(大久保正道裁判長)で言い渡された。大久保裁判長は一審に引き続き、騒音の違法性を認定し、国に賠償を命じたが、賠償の算定基準額は減額した。飛行差し止めのほか、日米両政府の「普天間基地提供協定」の違憲確認については、訴訟の対象外としていずれも請求を退けた。

 2016年11月の一審那覇地裁沖縄支部判決は、米軍の普天間飛行場運用に国の権限が及ばないとする「第三者行為論」を採用し、飛行差し止め請求を棄却。違憲確認も審理対象外として退けた。一方、騒音被害については、受忍限度を超えていると認定し、過去分の損害賠償について1次訴訟を上回る総額約24億6千万円の支払いを国に命じた。騒音コンター(分布図)以外の原告の訴えは認めなかった。

 低周波音については「生活妨害や精神的被害、睡眠妨害の一因になっていると認められる」としながらも「生理的影響が及び、その健康に影響が生じていると認めるには足りない」と判断。提訴後に配備されたオスプレイについては「原告らの被害が増大したと認めるには足りない」として、被害と認めなかった。【琉球新報電子版】