当確ラインは8万5000票 両陣営、浮動票に注力 衆院3区補選


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 21日に投開票される衆院沖縄3区補欠選挙は「オール沖縄」陣営が推すフリージャーナリストで新人の屋良朝博氏(56)=無所属=と、元沖縄北方担当相で新人の島尻安伊子氏(54)=自民公認、公明、維新推薦=が激しい選挙戦を繰り広げている。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設の是非や次期沖縄振興計画の在り方、子どもの貧困問題、交通政策などが主な争点で、選挙戦の結果は夏の参院選や玉城知事の県政運営にも大きな影響を与えるのは必至だ。

 3区補選は、昨年9月の知事選で玉城デニー知事が出馬したことに伴い実施される。県内で衆院補選が実施されるのは初めてで、投票率にも注目が集まる。

 2000年以降、衆院選は7回実施された。今回補選がある3区は自民公認候補が3勝し、革新系候補が4勝している。09年に玉城知事が衆院選に初当選して以降、12年からは玉城知事と自民公認の比嘉奈津美氏が対決する構図だった。いずれの選挙も辺野古新基地建設が最大の争点で激しい選挙戦が展開された。

 沖縄市やうるま市、名護市など14市町村を抱える3区の選挙人名簿登録者数は18日現在、31万4610人で、前回選挙時から3069人増えている。投票率を前回並みの54%と想定した場合、過半数は8万4945人となり、これまでより当選ラインが引き上がる形になる。

 17年10月の前回衆院選沖縄3区で当選した玉城知事の得票数は9万5517票だった。両陣営とも最終盤での票の上積みに向けて、沖縄市などの都市部を中心に態度を決めていない浮動票の掘り起こしに向けた取り組みに力を入れている。