本部港から土砂搬出再開 辺野古埋め立て 市民ら阻止行動


この記事を書いた人 Avatar photo 米倉 外昭
トラックに積んだ埋め立て用土砂が船に積み込まれるなど搬出作業が行われた本部港塩川地区=25日午後2時50分ごろ、本部町の本部港塩川地区(小型無人機で撮影)

 米軍普天間飛行場の移設に伴う沖縄県名護市辺野古の新基地建設で、沖縄防衛局は25日、本部港塩川地区(沖縄県本部町)からの埋め立て用の土砂の搬出を再開した。土砂を積んだ台船は塩川沖に停泊している。防衛局は27日からの大型連休中は工事を止めるが、5月以降は塩川地区からの搬出を本格化させ、工事の既成事実化を急ぐ構えだ。

 同地区は台風で岸壁が破損し使用できない状態だったが、修復工事が完了したため、本部町が業者に対し4月の使用を許可していた。

 本部港塩川地区には25日午前7時すぎ、警備員約100人が到着した。同8時35分、工事車両1台が土砂を台船に運び込んだ。新基地建設に反対する市民ら約30人が土砂を積んだ工事車両の前に立ちふさがるなどして抗議。午前中の搬出は車両1台にとどまった。工事車両の進路を空けるように通告していた沖縄防衛局職員らが市民の前に立ちはだかり、その周辺を沖縄県警機動隊が取り囲むようにして市民の抗議行動を制限した。同日は午後5時すぎまでに、車両計24台分の土砂が船に積み込まれた。

 本部町は現在、1カ月単位で岸壁使用許可を出している。本部港管理事務所によると5月も4月と同様、辺野古関連の15件を含む計46件の申請が業者から出ており、町は26日にも許可する見込み。

 本部港塩川地区から搬出された土砂は辺野古の新基地建設現場に搬入される予定。

 防衛局は25日、K8護岸の造成と埋め立て区域(2)―1、(2)への土砂投入作業を続けた。名護市安和の琉球セメント桟橋からの土砂搬出はなかった。