天皇制、県民感情に変化 識者指摘、政治利用危惧も


この記事を書いた人 Avatar photo 宮里 努
(左から)知花昌一さん、我部政明さん

 平成の時代が終わり、新しい天皇が1日即位した。県内の識者は平成の天皇の沖縄訪問と慰霊によって、県民の天皇制に対する視座の変化を指摘する一方、令和の時代と新天皇の姿勢について注目している。

 沖縄戦で住民が「集団自決」(強制集団死)に追い込まれたチビチリガマ(読谷村)の調査に携わってきた知花昌一さん(71)は、平成の天皇陛下に対して「昭和天皇の子として、制度としての天皇制を引き継いだ責任として、戦争責任を自覚していたと思う。11回も沖縄を訪れ、必ず戦争犠牲者を慰霊しているのは、その責任の現れだったと思っている」と語る。

 ただ、悲惨な沖縄戦を経た戦争被害者には皇室への複雑な感情も残る。令和の天皇に対して「(平成の天皇は)戦争責任を感じ真摯(しんし)に沖縄に向き合ってきたので(皇室に)理解を示す人たちも出てきている。これからの天皇もそういった姿勢を持ち得るのかを沖縄の人たちは見ている」と語った。

 国際政治が専門の我部政明琉球大教授は平成の天皇陛下について「自ら疎開を経験するなど戦時を生き、父である昭和天皇を見続けた。鎮魂のために祈ることの重みを十分に理解し、それを果たすことが責務と思われていたのではないか。戦争体験者や遺族、被災者の元に足を運び、顔をつきあわせる陛下の姿に親しみを抱く国民も多いと思う」と指摘する。

 ただ、政治と天皇の関係には苦言も呈す。「戦争体験者が減り、天皇制に疑問を持たず無関心な世代が中心となる中で、親しみの対象としての天皇の存在が際立つと政治利用が進むのではないか」と危惧した。