モノレール3両化で駅構内の混雑緩和が課題 すし詰めの車内に改札前の行列、乗車諦める人も…


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 県内唯一の軌道交通、沖縄都市モノレールの「ゆいレール」。2003年の開業以来、那覇空港から那覇市首里を約30分で結び、県民や観光客の移動に大きな役割を果たしてきた。乗客数は18年度に1900万人を超え、年々需要は高まっている。19年秋には浦添市までの延長区間が開業予定で、20年には那覇空港第2滑走路の利用が始まる。利用客の大幅な増加が見込まれ、モノレール社と県などは輸送力増強を目指し、30年までに3両編成化が望ましいとする意見を発表した。駅などの状況を取材した。

午前8時すぎの県庁前駅のホーム。平日は通勤や通学で混み合う=4月26日、沖縄都市モノレール県庁前駅

■通勤ラッシュ

 10連休前日の4月26日午前7時半、首里駅のホームに、多くの学生や会社員の姿があった。車両が到着すると、席のほとんどが埋まる。おもろまち駅を過ぎる頃には車内は満員で、入り口付近に立つ乗客は体を押し合った。ホームには乗車を諦め、次の車両の到着を待つ人の姿も見られた。

 県庁前駅に到着すると、改札に向かう人々で長い行列ができた。出勤途中の40代女性は「延伸した後はきっと今以上に混雑する。バスで出勤することも考えているが、朝の渋滞も心配だ。3両化で混雑緩和が進んでほしい」と話した。

■観光客が行列

 那覇空港駅には荷物を手にした旅行客の姿も。現在、ゆいレールでは全国共通ICカードは使用できないため国内外を問わず、観光客の多くは乗車券購入が必要となる。この日、切符売り場でも混雑が発生し、改札口付近では駅員がQR乗車券の利用方法を説明するなど対応に追われた。

 沖縄を訪れた観光客数は18年度に999万9千人を記録。沿線には、観光名所の首里城や国際通り、昨年開業したバスターミナルなどがある。ゆいレールの1日当たりの平均乗客数は、延伸により約1万人増、30年には7万5千人を見込んでいる。

 3両化により一度に利用できる乗客数は増える。その一方で現行の改札機数やエスカレーター幅で利用者の受け入れが可能かどうか懸念もある。今後、各駅構内の混雑緩和に向けた取り組みが課題だ。(吉田早希)